マイケル・ギルバート『捕虜収容所の死』

読む前、登場人物一覧表にずらーっと並んだ大量の名前を見てちょっとくじけそうに。でも大丈夫、読み終わった今でも全く登場人物把握できてないけど全然問題ありません。
しかし面白いっちゃ面白いんだけどどうにも物足りない印象だなあ。冒頭で出てくる「誰も入れないはずの脱走用トンネルで土砂の下敷きになって死んでいた男」っていう密室テーマにはおお、斬新だとか思ってわくわくしたし、その密室の謎が出現した数ページ後にはどうでもいいこととして問題から外されてるところとかもなんだかおかしくて好きだったのだけど……。なんだかなあ。
最後「ええっ、ここで終わり?」って感じだし、謎解きの答えは小出しにし過ぎでちょっとイライラするし、脱走パートはもうちょっとスリルがあってもいい気がするし、あとあんまり“キャラが立ってない”。この設定でキャラクターを魅力的に書かないのは勿体無いと思うのだけど。あ、でもレイヴァリー大佐はかっこよかった。
とまあそんな感じでなんだか消化不良。中盤以降は読んでてそれなりに楽しかったけど。