奥田英朗『真夜中のマーチ』

衝動買いしたもの。理由はいかにもキャラ萌えできそうだったから。でも結論から言うとそんなに萌えなかった。話としては、どうにも報われない性格そのほかてんでバラバラの三人(全員25歳)がひょんなことで知り合い、みんなで十億円強奪計画をうち立てる、というようなもの。前半はコメディタッチで三人の出会いまでを描きながら盛り上げるだけ盛り上げて、そこからはハリウッド風に映画化したらいいんじゃないか、という感じのスピード感で突っ走る。
うん、悪くない。読みながら三人の計画が成功しますように、と祈らずにはいられないとこが良い。でもたまに記述上の問題で何が起こってるんだかよくわからない部分があったのには困った。これは僕の読解力の問題かもしらんが。まあそれもラストの爽やかさで許す気になったのだけど。
キャラクタに関しても最後まで読むとクロチェの傲慢さも気にならなくなるし、それほど悪くない。ヨコゾウにもうちょっと“人間味”があればなお良かったけど。それにしても全然ヤヲイじゃなかった……そんなとこに期待した自分が悪いのはわかってるけども。