夢野久作『ドグラ・マグラ』

むーん。何を言ったらいいのか。とりあえずそれほど面白くなかった。と言うか、構成が恐ろしく不恰好なこと以外は意外に普通のミステリー（この場合サスペンスやホラーとかも含めた広義なものを指す）に感じられて、面食らってしまった。怪奇性は十分にあると思うのだけど、それも大して珍しくない種類のものであるように思われてしまい……。
なんだかなあ……言葉の選び方もあまり好みには合わなかったし、「胎児の夢」というキーワード一つとってもそこに僕が期待するものと実際に描かれるニュアンスがかなり食い違ってるのだから、なんだかねえ。全体としてもっとこう、奥に漂う雰囲気とか匂いのようなものを感じたかったのだけど叶わなかった、というところ。これはもちろん僕の読解力（っつーのも胡散臭い言葉だが）にも原因があるのだろうけども。

若林博士に萌えられたらよかった。