近藤史恵『茨姫はたたかう』

↑のシリーズ二作目。ああ、本当にこのシリーズは読んでて気持ちがいいなあ。あまりに気持ちがいい、という感じではなく安定してずーっと気持ちがいい感じ。
この話は特に僕の好きな女の友情(という表現には差別的なものが含まれる気がするが)モノのエピソードを主軸にしたものだし、最終的にあの人はいい人でこの人は悪い人だった、とわかるその匙加減が(僕にとって)絶妙。いやあ、黒沢がいい人でよかったよお。
もちろんこの作品の中にだって僕の嫌いな要素が含まれてて、それがごくたまに顔を出したりもするのだけど、そういうものについて深く考えなくて済むような心地よさでカバーしてくれる点で、このシリーズは僕にとってかなり貴重なものであるかも。