秋月こお『寒冷前線コンダクター』

昨日は百合モノを読んだので今日はバランスをとってやおい(と言うよりこれはJUNEかな)を読んでおこうという作戦です。
その筋では有名らしい富士見二丁目交響楽団シリーズの一作目なのだけど、うーん、受ける印象はわりと中途半端な感じ。僕はやおいとかなら『麗人』に載ってるマンガみたいにひたすら濡れ場を追求したもの(その際どれくらい下世話さが抜けるかがポイント)かもしくは逆に文学性とか言語の特殊性を追求したもの(あんまり読んだことないが)かのどっちかがいいと思うのだけど、これはどうかなあ。二編収録のうち「D線上のアリア」のほうは八坂に襲われるあたりの展開がなんだかエロはエロでもロマンチシズムに陥ってないゲイ小説風のエロで、ある種の爽快感があってよかったように思うけども。主人公がやはり少し女っぽいあたりが減点対象か。「でも、強姦だったんだよ、あれは」というセリフは何やら詩的で良かった。
(笑えたところ:「よくって、よくって!感激的によくって!!」←心理描写)