クライシス・オブ・アメリカ

戦争の英雄となり、ついには副大統領候補となったかつての部下のニュースを見、胸がざわつく主人公。彼が武功を立てたはずのあの日の自分達の記憶は確かに本物か……?だとしたら、毎晩夢に見る自分達が洗脳を受ける光景はなんなのか……というお話。
恥ずかしながら何がどうしてあのオチになったのかよくわからなかったのですが、それにしてもこういう陰謀ものサスペンスってのは「本当にそのような陰謀が存在するのか、それとも主人公の頭がおかしいのか?」ってな印象を観客に与えてなんぼだと思う。この映画の場合主人公の疑いがパッパッパーと次々立証されていってしまうあたりなんとも緊迫感に欠けるんだよなあ。せっかくのアンサンブル・キャストが勿体無い。
というわけでその素晴らしいキャストの話。一番良かったのは、かつてないほどの映画の出来への貢献を見せたリーヴ・シュライバー!『スクリーム』以降の定番・粘着不気味男キャラに『ニューヨークの恋人』とかのピュア路線をミックスした役柄で、もう、魅せること魅せること。気持ち悪がらせつつ同情も引くという難役を見事にこなしてます。主演のデンゼル・ワシントンは例によって説得力のある軍人ぶりだし、すぐに演説し出すシュライバーの母役メリル・ストリープもいい仕事。あ、ジョン・ヴォイトは端役でした。