オールド・ボーイ

酒癖も女癖も悪い妻子持ちのオ・デスはある日突然誘拐され、そのまま15年間監禁される。監禁が解かれてさ迷う彼の前に犯人はあっさりと現れるが、自分が監禁された理由を探るため、世話をしてくれる若い女ミドと共にデスは調べを続ける……というお話。
あの泥臭い『JSA』(→感想)の監督作がカンヌだの何だので評価されたということで訝りながら観てみたら、やっぱりこれも泥臭い話でした。悲劇の構図が少しずつ明らかになるってな筋立ても『JSA』と同じだし、この原作はこの監督向きだったのかも?知らんけど。ともあれ、面白かった。オチはなんとなく読めてしまうのだけど、そこに至るまでの筋道がやたらと紆余曲折しているので退屈しないで観られる。主人公があの監禁ビルの廊下で格闘するのを横スクロールアクションみたいな構図で延々映すシーンなんかは映像的にもなかなか愉快なことやってると思うし。あと、テーマ曲の使い方にグッと来た。
キャストも健闘していて、一番いいなと思ったのが犯人役のユ・ジテ。かなり堂に入った屈折人間っぷりで、ラストの種明かしのシーンに至ってはあの貧相な顔で完璧に画面を持たせてるのだから偉い。ミド役のカン・ヘジョンはロリ系シンガーみたいな可愛さ。デス役のチェ・ミンシクはルックスに説得力があるのはいいんだけどちょっと力入りすぎな感も。