スタニスワフ・レム『捜査』

冬のロンドンで発生する奇怪な連続死体消失(及び移動)事件。スコットランド・ヤードのグレゴリイ警部補は、事件について奇怪な説を唱える科学者シスに混乱させられながら捜査を進めるが……というお話。
初めて読むレムの本がこれっていうのは幸せなのか不幸せなのか。とりあえず、どこを楽しめばいいのかよくわかりませんでした。嫌いだというのじゃなくて、これを好きな人の目には飛び出して見える部分が僕の目には平坦に映ってしまってるんだろうなというイメージ。オチからしてアンチ・ミステリー的な試みなんだろうけど、まず推理する側も容疑者も思考の流れが不安定すぎてついていけない。でもそれこそが楽しむべきポイントなのかも。個人的には終盤で主任警部がしたり顔でもっともらしく語る無理無理推理が一番面白かった。
それにしてもこれ、訳のせいなのか何なのか、ものすごく読みにくかった。終わってホッとしてるくらい。