清涼院流水『とくまでやる』(背景色でのネタバレ含)

フリーターの主人公・出有特馬(である・とくま)とその友人、バイト先で知り合った双子でハーフの女子高生の4人の周りで、ある日を始まりとして、毎日一人ずつ不可解な自殺者が出るようになった。この事件の謎を解こうと、特馬達は奔走するが……?というお話。
タイトルに100点*1。この人のこういう言語センスって既に人間業ではない気がする。いい意味でも悪い意味でも。で、中身のほうはどうかと言うと、こちらは完全に悪い意味で流水大説でした。2ページごとに一話完結で一人死人が出るっていう趣向は別にいいんだけど、それが全く活かせてないでしょう。主人公等の回りから死人が出る謎、の解答を逃げてるあたりどうしようもない。あと、やはり主人公達の推理が真相解明に全く貢献しないってのは楽しみにくいよ。
勿論登場人物のラブ模様なんて胸をときめかすどころではないものなので、無理無理な趣向と新鮮な感じのイラストくらいしか見るところはないかな。

*1:付け加えておくと、この本は徳間デュアル文庫から出てます。