藤木稟『夢魔の棲まう所』

久々の朱雀十五シリーズ新刊。ファンを待たせる所まで京極を真似なくても……。しかも柏木可愛さのためだけにこのシリーズを読んでいた僕は柏木登場しなそうな前作を未読で、このシリーズ読むのはすごく久しぶり……なのにすげーつまんなかった。もうこのシリーズ読まなくていいかな。
次々殉教者を出し、世に自殺を訴えかける「上行之道殉教会」が不穏な動きを見せ、少年連続強姦殺害事件が起こる中、新聞記者柏木洋介は“夢魔”に取り憑かれていく……というお話。宗教集団のニセ奇跡演出はどっかで見たことある手品みたいなのばっかりで、トリック明かされても意外性のかけらもない上にその説明すら何だかおざなり。意外な人物関係にしたってもっと綺麗に見せてくれないと。ちょっと面白かったのは何やらダークな「四季団」の話くらいかな。キャラの方もいよいよもって印象に残らなくなってきてヤバめ。柏木は簡単にあっちの世界に行きすぎ!おかげでこの人の行動にすらちっともスリルがなくなってきてる。軍部ネタも暗いムードも食傷気味だし、もうダメかな。