高慢と偏見

ジェーン・オースティン原作の海外ドラマ。全話まとめて見た。全部で6時間ほどもあるのだけど、画面の中で煩いくらいの自己主張を代わりばんこにしていく多彩な登場人物のおかげで退屈せずに見られた。特に、見事なまでに俗っぽいMrs.ベネット、見事なまでにアイタタタ……なMr.コリンズ、見事なまでに嫌味なMr.ビングリーの姉妹達はそれぞれ素晴らしく娯楽性のある不快感を放っていて良いな。僕の目当てはMr.ダーシー役のコリン・ファースだったのだけど、このドラマでの彼もデカい顔が強調される髪型と服装にも関わらず主人公の恋のお相手として説得力のある魅力で満足。必然性の全くない入浴シーンまであって、これはやはり意味としてはサービスシーンってことなんだろうなあ、などと思った。
ストーリーのほうは古典的なラブロマンスで、主人公とMr.ダーシーが両想いになるまではしつこく引っ張った展開をするくせにその後は急ぎ足で、ラストの印象はいささか呆気ないものだったりする。でも先の展開への気の持たせ方とか本筋とは関係ない部分での細部の面白さなど、魅力的な連続ドラマに不可欠な要素を十分備えているので大筋に於いてはとても面白い。吹き替え版の海外ドラマに何か特殊な魅力を感じてしまうという僕の趣味も関係しているけれど。あ、吹き替えの声優ではですね、山路和弘氏のヒモ気質的だらしない声の魅力を再確認しました。Mr.ウィッカム役は見事なはまり役。