ジョナサン・キャロル『月の骨』

……あれ?わりと普通?もっと救いようのないオチが待ち受けてるもんだと思って身構えてたのに。とは言え、面白かったです。素敵な夫、可愛い娘、絵に描いたように幸せな生活を送る主人公はある日から不思議な世界を息子(んなもん現実にはいないのに)と旅する連続夢を見出す。その夢を見るのが自分だけじゃなくなったりもする。やがて、夢の世界で全てに“決着”が着くとき……!みたいなストーリー。これは訳文が良いですね。ところどころ微妙に日本語が崩れてるガーリーな感じの文章。読みやすくはないけど味がある。
夢の世界の描写がシュール過ぎてついてけないくらいだけど強度は強く魅力的なのに対して、現実世界の描写はふらつき気味かな。もちっと絵空事じゃなく幸せな感じが出てればラストでの感慨ももっと深かったかも。まあ、でも意外に綺麗なラストで満足。ちょっと肩透かしな面もあるけど。