カレル・チャペック『長い長いお医者さんの話』

児童書は定期的に。これは、展開や設定のシュールな強引さも含めてかなり王道の児童文学だと思った。児童文学っつーのはイメージとして子供へ「語る」ような文体なのが多いと思うのだけど、これなんかまさにそう。この「語り」の面白さはそのまま児童文学の面白さにつながると思う。大人が読んでも勿論面白いけど子供のときに読みたい本だな。
集中の個人的ベストは「郵便やさんの話」。手紙を触った暖かさで真心のこもり具合を判断するあたり、非常に琴線に触れるものが……。それにしてもこれ、昔教育テレビの人形劇で似たような話を見た気がする。他にも、「長い長いおまわりさんの話」のヒドラをかわいがる小男のエピソードとか、「宿なしルンペンくんの話」の風で飛んだ帽子を追いかけるエピソードがどんどんシュールな展開になってくあたりも好き。