歌野晶午『家守』

ここんところ乗りに乗ってる感がある歌野晶午君の新作短編集はこんなんでした。えーと、別に可もなく不可もなく。フツーって感じが。この作者の今までの短編集と比較すると、『放浪探偵と七つの殺人』よりはケレン味が薄く、『正月十一日、鏡殺し』ほどには笑えない(あれは笑える短編集だと僕は思うです)、というところ。
つーわけでどっちかと言えば期待外れな感があったのだけど、最後に収録されてる「転居先不明」だけ妙にブラックな喜劇っぽい感じで『正月十一日、鏡殺し』に収録されててもおかしくない印象。これは好きかも。あと、いつもながらこの人が描くキャラクターは一回限りのキャラであってもほのぼのとした魅力があっていいと思う。僕は好きだ。
しかしこのホラーっぽい装丁と背表紙のコピーは間違ってるんじゃないかね。もっと普通でよかったのでは。