タム・ホスキンス『心療室』

両親の本棚からどうでもよさそうなのを一冊抜き取って読んでみた。結果、ほんとにどうでもいい本だった。
タイトルとかあらすじの印象とは違って精神分析ネタはほとんど無し。主人公がセラピストだってくらいか。リーダビリティはそこそこある気がするんだけど登場人物の心理が全く納得できない動きをしてくれるもんだからついて行きにくい。それにこれ、とうてい主人公達が40代後半の大人とは思えない。もちょっと分別持てよ、と主人公とかに言いたくなる。
ミステリ的なネタは非常にいい加減な扱いでそっちのほうの興味も満たされなかったのだけど、冒頭の殺人シーンは妙に印象的。でもどうにも読み進めるうちにどんな事件が起こってたか忘れちゃうんだよな……。リーダビリティはわりとあるのに話の筋がどこにあるのかつかめないという不思議な本でした。なんなんだか。