石持浅海『月の扉』

あんま面白くない。リーダビリティは高く次の展開が気になるのですらすら読めて楽しいんだけど、真相として提示されるネタがどうにも地味で。
あと、あの状況で自殺以外の可能性を考える心情が理解できん、ってのもあるけどそんなのはどうでもよくて、一番気になったのは犯人の殺害動機及び石嶺殺害動機。観念的な動機は嫌いじゃないしそれがもし理解できなくってもそこを貶そうとは思わないけど、これは、作者自身がこういう動機が存在する可能性を信じてない感じがすると言うか。観念的なくせに単にミステリとしての辻褄合わせから生まれた動機でしかない感じがしてしまうってのはちょっと気に食わない。
ところで、最後の墓参りシーンは真壁のか、それとも聡美のか、どっちなんでしょうね。