秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏』その1〜4

まとめて読んだので感想もまとめ書き。
うーん、どうも僕の琴線に触れるところまで行きそうで行ってくれないストーリー展開がちょっと苛立たしかった、と言うと言いすぎだけど。どこもかしこも中途半端な印象と言うか……これが狙ったものなら大したものだと思うけど、僕の好みではない。その2ラストからその3前半にかけてのあたりが一番面白かったなあ。鉄人定食で女の友情を高めまくるエピソードとか。
こういうボーイ・ミーツ・ガールものでは彼と彼女の出会いの運命性と言うか奇跡性を読者にがーっと信じさせることが重要なのではないか、と思うのだけど、これはなあ……「絆」が見えないよお、と言うか。イリヤ、浅羽が最初に会った「普通の男」でちょっと親切にされたから惚れちゃっただけなのでは、とか思えてしまう余地があるじゃないか、この話は。そんなんじゃいけないなあ。もっと強い思い込みを与えてくれないかー、だよ。
あと、イラストは「不必要」の域を通り越して積極的に「無いほうがいい」域に達してると思う。特に浅羽の絵ね。あのなよっちさの方向性を間違ってるキャラ絵はストーリーを破綻させかねない。