2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ベニー松山『小説ウィザードリィ 隣り合わせの灰と青春』

人気ゲーム「ウィザードリィ」シリーズのノベライズ。狂王の護衛軍に取り立ててもらうため地下迷宮の探索を繰り返している主人公たち6人は、一人の仲間の死を迎え、今日、新たなパーティーでは初の最深部への冒険へと赴くが……というお話。 えー、故あって読…

プリティ・プリンセス2 ロイヤル・ウェディング

前作(→感想)の3,4年後、ジェノヴィアの女王就任を控えたミアに難題が突き付けられる。なんと、ジェノヴィアの法では女性は未婚では王になれないと言うのだ。一ヶ月のうちに相手を見つけなければならなくなったミアは祖母とともに奔走するが……というお話。…

R・D・ウィングフィールド『クリスマスのフロスト』

クリスマスの近づく田舎町デントンで起こった少女の失踪事件。デントン署の名物フロスト警部は下品で粗野な仕事ぶりを振りまきながら部下のクライヴとともに捜査を進めるが、全く別の白骨死体が発見されたりして、捜査はさらに困難を極めてゆき……というお話。…

西風隆介『SANCTUM ゼフィロス』

ウォール街に勤める主人公マックはある事件によって財産を失い、おまけに追われる身に。逃げ惑う彼の先にある時、奇妙ないでたちをした謎の女性が現われ、彼女がマッチを擦ってみせると、彼はいつの間にか見たこともない場所にいて……というお話。 えー、西風…

故郷の香り

都会の役所勤めの主人公は久々に故郷の村に帰って来る。そこでばったり出会ったのは、彼が一時心を交わした相手・ヌアンだった。彼女が聾唖者のヤーバと結婚し、二人の間に娘までいると聞いた彼は驚くが……というお話。 感傷的でノスタルジックな初恋回顧話の…

A・B・コックス『プリーストリー氏の問題』

犯罪心理学に並々ならぬ関心を抱く二人の男。普通の人間が殺人を犯したときどのような心理を抱くものか?と考える彼等は、その思考を実験に移すことにする。一方、知らぬ間にその実験ターゲットにされている人畜無害な男プリーストリー氏は、友人に蕪男扱い…

Uボート 最後の決断

第二次世界大戦下、米軍の潜水艦ソードフィッシュはドイツ軍のUボートに撃沈され、生き残った乗組員達は捕虜となる。しかし、その捕虜の一人から感染病が船内を駆け巡り、ドイツ側の乗組員は次々に病死。たちまち人手不足に。Uボート艦長は捕虜達に協力を願…

法月綸太郎『生首に聞いてみろ』

「和製シーガル」の異名をとる前衛彫刻家の娘と知り合う綸太郎。しかし、その直後かの彫刻家が急逝。おまけに遺作となった娘をモデルにした人体像は、首が切り取られて発見され……というお話。 綸太郎シリーズは『誰彼』までしか読んでないので何かとんちんか…

恋は邪魔者

メイン州から出て来た作家バーバラのデビュー作『恋は邪魔者』は大ヒット。女性が生きていくのに恋は不要と説くその本とバーバラの発言によりすっかり人気を失った雑誌記者キャッチは、別人の振りをしてバーバラに近づき、自分に惚れさせようと目論むが……と…

フェノミナ

有名俳優の一人娘ジェニファーは虫が大好きな女の子。そんな彼女は父の仕事の事情で一人スイスの全寮制女子校に転校してくるが、奇しくも町では少女ばかりを狙った連続殺人事件が起こっていて……というお話。 えーと、これがダリオ・アルジェントですか。別に…

小林めぐみ『食卓にビールを3』

幼妻で新進作家の女子高生がSFまみれの日常をフニャモラーと過ごす連作短編集第3弾。いやあ、エビスは美味しいなあ。プハーッ。……って、これ読んで思わずエビスを買って来てしまったわけですが、相変わらずヘンテコなのに和めて何より何より。楽しい! 特に…

柄刀一『殺人現場はその手の中に』

「天才・龍之介がゆく!」シリーズ第6弾。今回も連作短編集の形をとってます。 なんだかもうマンネリ化どころの話ではなく、どんどんシリーズの特徴が“濃く”表れて来ているという印象。犯人が誰であるかとか、動機は何であるかとか、そういう本格ミステリと…

アダプテーション

脚本家チャーリー・カウフマンは焦っていた。ランを巡るノンフィクション本を脚色する仕事を受けたものの、遅々として進まないのだ。双子の兄弟ドナルドが楽しげに自分の脚本を仕上げてゆく様を見るにつけ彼の焦燥はさらに増し……というお話。 これは面白かっ…

キター物件

遂に出るみたいですよ中島望『地獄変』*1。いやもうこの企画自体立ち消えになったものだとばかり。何と言ったらいいのか、とりあえず買う。 あと、今年は石崎幸二の新刊もやっとやっとで出るそうです(ソース:『氷川透 on the WEB』掲示板)。わお。 *1:htt…

北山猛邦『『ギロチン城』殺人事件』

探偵幕辺と頼科に人形を通じて伝えられた「Help」のメッセージ。そこで二人は奇妙な城『ギロチン城』へと赴くが、その矢先に城の出入り口が封鎖され、おまけに不可解な密室殺人により大量の被害者が……というお話。 屋敷の構造に深く関係したトリックとサイコ…

マシニスト

酷い不眠症に悩まされ、もう1年間眠っていない主人公。そんな彼は仕事場である工場で怪しい男と出会う。彼に気を取られ、大きなミスを仕出かした主人公は、自分は嵌められているのではないかと疑うが……というお話。 何かびっくりするオチなんだろうなあ、と…

ドリームキャッチャー(背景色でのネタバレ含)

子供の頃仲良くなった友達ダディッツから不思議な力を貰ったヘンリー、ジョーンジー、ピート、ビーヴァーの四人組。山小屋で久しぶりに一堂に会し、久闊を叙する彼等だったが、そこへ顔に奇妙なアザが出来た遭難者が迷い込んで来る……というお話。 なるほどー…

エイミー

ロックスターの父に目の前で感電死されて以来、口がきけなくなった少女エイミー。彼女は母親と貧しい下町に越して来るが、隣の家に住む売れないロックミュージシャンの男が歌を通してならエイミーとコミュニケーションできると気づき……というお話。 少女が歌…

サスペクト・ゼロ

まぶたを切り取られ、眼球を剥き出しにされた死体に謎のマークが残される連続殺人事件。左遷されたFBI捜査官の主人公は事件の有力容疑者を追うが、その容疑者には過去に“サスペクト・ゼロ”という犯罪学理論で、証拠を全く残さない幻の連続犯罪者がいるという…

田中啓文『天岩屋戸の研究 私立伝奇学園高等学校民俗学研究会』

スリムな体形ながら体重220キロ、大食らいでデブ武道の使い手のヒロインが遭遇する伝奇絡みの事件を民俗学研究会の面々が駄洒落で解き明かすシリーズの三巻目にして最終巻。例によって連作短編の形式をとってます。 ヒロイン・比夏留ちゃんのアホっぷりが気…

THE JUON/呪怨

アメリカからの交換留学生カレンはケアセンターからボランティアとして派遣され、ある家に赴く。老婆が一人きりのその家では、奇妙な物陰や物音が絶えず、遂に彼女は恐ろしいものを見てしまうが……というお話。 『呪怨』だ!『呪怨』なのにアメリカ映画だ!っ…

浦賀和宏『松浦純菜の静かな世界』

謎の連続女子高生殺人及び解体事件が発生中の町。強盗事件を奇跡的に生き延びたイジメられっ子八木剛士は、ケガの療養後久々に町に戻ったという松浦純菜に引っ張られ、事件の謎を追うことになるが……というお話。 これはかなり好きですね。だって名探偵とワト…

西尾維新『ネコソギラジカル(上) 十三階段』

“狐面の男”・西東天に宣戦布告を受けたいーちゃんは、病床から立ち上がり、彼に対する予防策を講じるべく動き出す。西東のちょっかいが友人にまで及ぶに至って、遂に彼は西東の誘いに乗ることにするが……というお話。 うわ、こう↑書くと別の話みたいだ。とい…

アレキサンダー

マケドニアに王の息子として生まれたアレキサンダーは、父が暗殺されたその日から王となり、母の強い影響から抜け出せないまま遠征を続け、各地にアレキサンドリアを建てていくが、次第に仲間の信用を失ってゆき……というお話。 期待ゼロ(それどころかマイナ…

グラディス・ミッチェル『月が昇るとき』

幼い兄弟がサーカスの前夜に見かけたナイフを持った怪しい人影。その翌日から小さな村は若い女性ばかりを狙った連続切り裂き魔の被害に見舞われる。名探偵として著名な心理学者ミセス・ブラッドリーの協力を得ながら、兄弟は事件解決に奔走するが……というお…

スパイダーズ

蜘蛛にエイリアンのDNAを注入して生体兵器にする実験を何故か宇宙空間でやっていたシャトル内で蜘蛛が暴走、クルーほぼ全滅。着陸した政府の秘密スペースにたまたま居合わせた大学新聞記者のUFOマニア三人は政府の陰謀を暴くべく、死体ともに地下研究室に潜…

きみに読む物語

ある施設にいる痴呆症の老女の元に毎日通い詰め、物語を読み聞かせる老人。彼が読んでいたのは、ひと夏の恋の末引き裂かれ、互いを思いながら悲しい時を過ごした一組の男女の物語だった……というお話。 いやあ、いくらなんでもこれはダメだ。老人カップルの愛…

ドグマ

命令を拒否した罪で天国を追放されて早1000年、天使ロキとバートルビーはニュージャージーのカトリック教会が新しく始めたキャンペーンの中に教義の“抜け穴”を見つけ、それを利用して天国に帰ろうと目論む。一方、中絶医のベサニーの元には大天使メタトロン…

シーズ・オール・ザット

学園一のハンサムで生徒会長、その上成績も良くて運動神経抜群な主人公は彼女にフラれ、腹いせに友達の持ち出した「ダサい娘をプロムクイーンに仕立て上げる」という賭けに乗ってしまう。おかげで彼は根暗美術ヲタクの娘と付き合う破目になるが、次第に本当…

鯨統一郎『九つの殺人メルヘン』

日本酒バー<森へ抜ける道>の常連である刑事工藤は今日も同じく常連の山内やマスターと益体もない回顧話で時間を潰す。そうして話が未解決の事件のことに及ぶと、決まって桜川嬢がやって来て、華麗に謎を解いてみせるのだった、という連作短編集。 ここ最近…